
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
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今週に入って世界的な株高の流れが継続しており、昨日はインド・ムンバイで発生した同時テロが地政学的リスクを警戒させたが、ブラジル・ボベスパ指数の小反落を除いて軒並み高となっている。 (但し米国株は感謝祭で休場)
一方、為替マーケットでは、今週の円の対主要通貨相場は全面高となっている。
これまで株価をリスク選好のメルクマールとする「株高・円安」の相関関係が続いていたが、今週は週明けこそ「株高・円安」が進行したものの、足元では俄かに「株高・円高」の流れに転じつつある。
世界的な景気後退のリスクが強く意識される状況下、主要中銀による積極的な利下げと各国政府の財政刺激策が不況下の株高を演出する一方、外需刺激効果を高める通貨安を促す格好となっている。
つまり、「金融緩和+積極財政」というポリシー・ミックスの組合せが当該国の「通貨安」を促していると解釈することができよう。
来月には、日本を除く主要中銀が大幅追加利下げに踏み切る見通しとなっているが、日本との相対的な金利格差の縮小だけでなく、利下げに距離を置く日銀(⇒ゼロ金利の弊害を警戒)との政策スタンスの違いが潜在的な円高圧力となってこよう。
10月半ばの急激な円高は、株安と同時進行していたこともあり、本邦当局は「最近の円相場の過度の変動並びにそれが経済・金融の安定に対して悪影響を与えうることを懸念する」とのG7緊急声明を取り付けたが、世界的な株高が進行するなかでの円高は容認せざるを得なくなる。
G20金融サミットやAPEC首脳会議では、保護主義的な政策を行わないことで合意しており、こうした状況下で円売り介入に踏み切れば、「近隣窮乏化策」として非難されるだけでなく、日本円が投機的な対象としてクローズアップされ一段の円高を促すリスクを高めるため、逆効果となってくる。
本邦通貨当局はこうした事情を十分承知しているはずであり、当面は口先介入を駆使して凌ぐことになろう。
但し、与党の財務副大臣経験者は、オバマ米政権が正式に発足する1月20日以降、一段の円高が進んだ場合に為替介入に踏み切る可能性を指摘しており、しかも介入実施レベルについて「心理的節目を超えた水準」と述べているため、1j=90円処までは実弾介入の可能性は低いとの示唆を与えてしまった可能性には留意したい。 (⇒いずれ90円処がターゲットとなる)
さて、ドル/円もユーロ/円も日足チャート上では「三角保ち合い」を形成しており、パターン完成に向けて取引レンジも収れんしつつある。 パターン完成のタイミングは、三角保ち合いの起点からAPEX(2本の線が交差する点)までの2分の1から4分の3のところで、直前のトレンドと同方向にブレイクすることになる。
つまり、三角保ち合いはトレンドの一時休止という位置付けとなるため、パターン完成時にトレンドを再開することになる。 エリオット波動分析では、ドル/円は110.87円(08/15)を起点とする下落波動(五波構成)における小勢2波、ユーロ/円は169.97円(07/23)を起点とする下落波動<A波>(五波構成)の小勢4波に位置するとみられ、それぞれ保ち合い終了後には円高方向へのトレンドを再開する可能性には留意したい。
(11月28日 11:30記)